「そうそう。じゃあ、次は血液検査の結果見てくよ。どこに注目する?」


「心臓に関する数値と炎症反応を表す数値」


「もー合ってるんだから自信持って答えてよ~」


私があまりに自信なさげに答えるからか、池谷さんがちょっと困ったように笑いながら私の肩を叩く。


「その数値を追っていくと、ドクターの言ってた通り問題なし。じゃあ、どうして食べられないんだと思う?」


「えっ……。えっと……」


急に答えを聞かれて、返答に詰まる。


「じゃあ、質問変えるね。この問題を解決するためには、どうしたらいい?」


「それは……」


体に問題がないということは、どこか他のところに問題があるってこと?


でもそれを知るには、一体どうしたらいいんだろう?


一生懸命考えたけど答えが出なくて、正直に分からないと池谷さんに言う。


「いい、里穂ちゃん。栄養士は、数値だけを追ってればいいわけじゃない。ということで、答えを探しに行こうか」


そう言って池谷さんは、勢いよく立ち上がる。


「栄養士は、足を使わなくちゃね」