君の隣~番外編~

「いいセンスしてるよ。もっと鍛えて、早くこっちの世界に来い」


「はい!」


強く俺の手を握ったボルシュは、笑顔を見せてロッカーに戻って行く。


それからすぐに選手がピッチに集まってきて、昨日のように練習が始まった。


今日は昨日より早い時間にサブチームに入れてもらえて、パスがもらえるように声を張り上げる。


「修斗!」


そんな俺にパスを回してくれたのは、今日はサブに入っている中澤さん。


そのパスをピッチの中央で受け取り、ドリブルを仕掛けていく。


大柄なディフェンスが、ボール目掛けて足を出してくる。


でもさっきのボルシュの素早さに比べたら、このくらいのスピードはたいしたことない。


ディフェンスをかわして、ゴール前までボールを運ぶ。


素早くディフェンスとキーパーの位置を確認し、ゴール目掛けてボールを蹴った。


綺麗な放物線を描いたボールが、キーパーが伸ばした手も超えていく。


「よし!」


ゴール右隅に決まったボールを見て、思わずガッツポーズが出てしまった。