それでも今から練習に参加するチームには、世界各国からトップクラスの選手が集まっている。


しかも先輩によると、練習中は色々な国の言葉が飛び交っていて、誰が何を言っているか分からないときがあるらしい。


スタジアムに着き、貰った選手証で中に入って行く。


選手専用の入口からロッカーに続く扉を開ける。


中に入り、すぐ傍にいたチームスタッフに声をかけると、監督のところまで案内してくれることになった。


監督がいる部屋まで続く廊下を歩く。


廊下の壁には、歴代の優勝トロフィーや写真が飾られていて、改めてすごいチームなんだということを実感して、柄にもなく少し緊張してしまった。


「修斗!」


そんな中聞こえてきた、数時間振りの日本語。


「中澤さん」


廊下の向こうから俺に笑顔で近づいてきたのは、日本代表で中心核となっている中澤さん。


「本当に来たんだな」


そう言って俺の肩をポンと叩く。


「これから監督のことろか?」


「はい」