『海外でプレーがしたい。そして俺が現役の間に、日本代表でワールドカップで優勝したい』


サッカー選手になって３年目のころ、ちょくちょく日本代表に呼ばれるようになって持った俺の新たな夢。


今、日本人が海外に出てサッカーをすることは珍しいことではない。


それどころか、海外のビッククラブで活躍して、そのチームには無くてはならない存在になっている選手もいる。


そんな選手たちに囲まれて参加している日本代表。


強靭な肉体と強い意志を持って戦っている先輩たちを見ていると、俺もやらなきゃ、もっと上手くなりたいって思う気持ちが出てくるのは当たり前で。


まあそう思っても、海外移籍なんて簡単ではない。


だからこそ、今いるFCウイングで、そして日本代表で、成長していこう、そう思って早２年。


サッカー選手になって５年目の夏、FCウイングの監督から嬉しい報告があった。


「本当ですか！？」


「ああ。ドイツのチームから、練習に参加しないかとオファーがあった」


練習後に監督に呼ばれて行ったミーティングルームで言われた一言に、思わずテンションが上がる。


「ちょうどJリーグも中断してるし、行ってみたらどうだ？」


「はい！」


監督が告げたチーム名は、ドイツでも名門と言われるチームのひとつ。