安楽死


>あれほど警告したのに・・・もう手遅れよ。

‐AYUMI‐


スマートフォンを持つ手がブルブルと震え、画面が大きく揺れる。

AYUMI・・・
やはり、あの小説の作者が事件に関わっているんだ!!


あのケータイ小説を、既に私は読んでしまっている・・・

ま、まさか次の狙いは私!?


今更の様に、自分が危険な状況にあると認識する。早く証拠を掴んで、韻を消滅させなければ!!

残り2人。
早くAYUMIとの繋がりを見付けなくては・・・


私はどうにか冷静さを取り戻し、その場から牧野さんにメールをした。

同じ陸上部の先輩なら、大場さんの住所を知っているに違いない。

今からでも大場さんの自宅に行って、狙われた理由を見付けなければ――!!



その時、岸本が自転車で勢い良く駅前の通りを走り抜けた。

あ、岸本も・・・


事態は切迫している。もはや私の頭では何をどうすれば良いのか、優先順位すら分からなくなってきていた。