安楽死


階段を一気に駆け下り、校庭を横断して校外に出ると表通りを全力で走った。


暫く進むと、前方に塾が見え始めた。


私は道路を渡り、その塾の中に潜り込んだ。

意外と管理は適当で、制服を着ているだけで受付は素通りだった。


「掲示板に、貼り出してあるんじゃないかと思うんだけど・・・」

少し奥の壁に取り付けられた掲示板に、私が探していたものが大きく貼り出されていた。


私が探していた物。それは、先月の塾内で実施されたテストの順位表だ。

「え――・・・と」

県内屈指の進学校である三春学園高校の生徒も多数在籍する、この地区ナンバー1の進学塾である。

私は50名余り在籍する塾生の下から、高山の名前を探していった。


「見付からない・・・
もしかして、テストの日は休んでいたのかな?」

いくら学校で成績が良いと言っても、所詮は――


「高山あゆみ、486点で2位・・・2位!!
す、凄い・・・」

いやいや、問題はそこではない。
1位は・・・


「稲森美香、498点!!」


やはり――