安楽死


翌日――

通学中の電車でも、ずっと兄の言った事を考えていた。


仮に兄の話が本当なら、韻を使うにしても、かなり頭が良い人物でないと不可能だ。

そんな人物が、果たしているのだろうか?


それに、犯人が私の行動を監視している事を考えると、長谷部以外の知り合いが校内にいる事になる。

書いた作者本人が身近にいるとか?


それにしても、この作家名はどこかで聞いた様な気がする。一体、どこで聞いたのだろう・・・


電車を降りた後もずっと考えて続けていると、いつの間にか学校に着いていた。



何事もなく1日が終わり、午後のホームルームの時間になった。

いつもながらの、長いホームルームが始まる。


「えー・・・
じゃあ今から、先月の全国一斉学力テストの結果を渡すからな」

その言葉に、私は一瞬めまいがした。散々な試験の事を、すっかり忘れていたのだ。


結果を渡され順位を確認した後、私の頭から一気にあのケータイ小説の事など吹き飛んだ。

志望大学など、このままでは到底無理だ・・・


激しく落ち込んでいると、配り終えた先生が話し始めた。