兄は私に説明する為に暫く考えていたが、面倒になったのか半ば投げやりに説明を始めた。

「あーまあ、要は声調だ。えーっとだな・・・

つまり、文章のトーンだな。声に出して言葉を言う時に、語尾に高低があるだろ。

文章も言葉だから、語尾に高低がある訳だ。分かるか?」

「うん・・・まあ何となく」

実際には全く分かっていなかったが、頷いてみせた。


「お前、全然分かってないだろ?

もっと分かり易く言えば、文章が一定のリズムで書いてあるって事だよ」

「なるほど・・・
だから、あんなに読み易いのね?」

「そういう事だ」

兄が難しい単語を並べるから、余計に分からなくなるんだ。


でも兄が言う韻を踏むという事は、作者が読者が読み易い為に気を配って書いただけではないのだろうか?

騒ぐ程の事ではないと思うけど・・・


しかし兄は、私の感じた事とは全く違う予想外な説明を始めた。