「あら?
里川さんに、城川さんじゃない」
思わずうなだれる。
ああ、今日はホントに運が悪い。
最悪だ。
「良いわね。頭が悪い人は周囲に期待されていないから、お気楽に遊べて。
私は校長先生から直々に、″期待してるよ″って声を掛けられているでしょ。今も本屋に行って、最新版の参考書を買ってきた所よ」
我が校創立以来の秀才・・・
なぜか、我が二流高校から東京大学に合格しそうな女。
いつも他人を見下して話しをする、本当にイヤな女だ。おとなしく聞いていると、いつまでも嫌味を言い続ける。勉強は出来るのかも知れないが、性格がチョー悪過ぎる。
「た、高山さん!!
そろそろ塾が始まるんじゃない?
早く行かないと──」
イラついている私に気付き、愛美が焦って間に入る。放置していると大変な事態になりかねない事を、愛美はよく知っている。
「あら、もうこんな時間・・・失礼するわ」
私は決して気の短い方ではないが、あの女とだけは相性が悪い。
何度か激闘を目にしてきた愛美は、早々に私達をを引き離した。大正解。あと1秒でキレていた。
「超ムカつく!!」
「相手にしなきゃいーのに・・・」



