安楽死


「痛たた・・・」

私は私でぶつかった衝撃で、廊下に仰向けに倒れた。当たった所よりも、お尻の方が痛い。

「もう・・・一体誰が、確認せずにあんな勢いで突っ込んでくるのよ!!」


起き上がろうと手を床に突くと、右手に四角い物が当たった。

何これ・・・ああ、スマホか?

スマートフォンを手にして立上がり、画面を見るとケータイ小説サイトが表示されている。

「ケータイ小説なんか読みながら歩いているから、ぶつかるのよ!!」と内心で毒づきながれ顔を上げる。すると、そこに冷ややかな表情で高山が立っていた。

「返して下さる?」

えっ!!
高山とぶつかったの?
どうせ自分が悪いにも関わらず、また嫌味を言ってくるんでしょ?
面倒臭い・・・

私が目を合わせない様にしていると、意外にも高山は床に散乱している本を拾い上げ、そのまま黙って去って行った。


ふう・・・

それにしても、高山がケータイ小説を読んでるなんて何か意外だ。