安楽死


陸上部の後輩は、私の顔をチラリと見た。

「そうですか。先輩が言うなら、知っている事を話しますけど・・・
今は時間が無いので、放課後の部活が始まる前で構いませんか?」

「話しを聞かせてもらえるならいつでも。
じゃあ、放課後に渡り廊下の所で待ち合わせしよ?」

私がそう言うとその子は、「分かりました」と頷いて教室の中に入って行った。


これでついに、電車に飛び込んだ人達全員の、一番親しい人に直接話しを聞く事が出来る。全員が自殺ではない事が確認出来れば、事件と断定出来るかも知れない。

予鈴が鳴り響き、私は牧野さんと共に自分達の教室に走って戻った。


自分達の教室があるフロアに戻り、スピードを落として歩き始める。授業には余裕で間に合った。

教室に入ろうと出入口をくぐった瞬間、同じ様に歩いていた生徒にぶつかった。激突した反動で、スマートフォンや本が床に散乱する。