夜遅く塾から帰宅する途中に、ストラップを1週間以上も探し続ける程の友情。そんな思いで結ばれた2人の間に、重大な隠し事があったとは思えない。

悪霊でも自殺でもないとなると、一体何?


「うーん・・・
いくら親友とはいえ、話せない事はあるからなあ。言えない様な何かがあったと考える方が、自然な気がするけどな」

兄は淡々とそう言った。
確かにそうかも知れないけど、自殺する程の悩みを、誰にも相談しないものなのだろうか?

「まあ、心理学部の俺に言わせると、人間は本当に悩んでいる事は他人には話さないものなんだよ。

千里には悪いが、愛美ちゃんの件も自殺だと思うけどな・・・」

私は兄の言葉に、スッカリ落ち込み自宅に帰った。やはり自殺・・・?


うん、そうだ――

明日、竹井さんの事について、隣りのクラスで聞いてみよう。