私は思考がまとまらないまま、フラフラと自分の席に戻り椅子に座った。
悪霊――・・・
本当にそんなものがあの踏切りに棲んでいるのなら、一連の事件も有り得る話だ。それに、愛美の行動についても理解は出来る。愛美は絶対に自殺なんてしない。
私は全ての授業が終わると、他の事には目もくれずに帰宅した。そして、自宅に居た兄を捕まえ、腕を掴んで無理矢理頼み込んだ。
「兄貴、今夜あの踏切りに連れて行ってよ」
「何だってんだよいきなり・・・面倒臭いからイヤだね!!」
「ちょっとだけでも良いから。ね。本当に悪霊が現れるのかどうかを確認したいの!!」
兄はいつになく真剣な私の表情を見て、ため息混じりに承諾した。愛美に関係がある事だと、気付いたらしい。
「今回だけだぞ・・・
それに言っておくが、仮に悪霊がいたとしても、行った時間に現れるとは限らないぞ」
「分かってる」