週明けの月曜日――

私はいつもの時間に自宅を出て、待ち合わせ場所のホームセンターに向かった。でも、そこにはいつもいるハズの愛美の姿はない。

私は愛美がいるハズの左側に、言葉では言い表せない喪失感を抱きながら独りで電車に乗った。


学校に着くと直ぐに私の周りにクラスメート達が集まり、グルリと輪ができた。誰もが金曜日の話が聞きたがっているのだ。

「大丈夫?」

見せ掛けの同情。
優しい言葉に見え隠れする本音。
興味本位で近付いてきているのが分かり過ぎて、とても話す気になんてならない。

ずっと黙り込んでいると、私からは面白い話が聞けないと悟り、次第に取り巻いていた輪が崩れていった。


すると今度は、ゲームアプリオタクである田中の周囲に人が集まり始めた。

なぜ、普段存在感も無い様な田中の所に?

耳を澄ませていると、田中の話しが聞こえてきた。

「昨日塾の帰りに、あの踏切りで白い服を着た女の子がフワっと・・・俺は慌てて来た道を引き返して、反対側の踏切りを通って帰ったよ。

間違いなく、あれが踏切りの悪霊だ!!」