「えー何、何?
千里は、そんな事気にしてるの?」

愛美は笑いながら振り返り、再び前に向き直って歩道を進んで行く。

「そうじゃない。そうじゃないけどさ・・・」

私は慌てて追い付き、愛美と並んで歩く。
隣で歩く愛美は上機嫌で、ニコニコと笑顔を浮かべている。


──嫌な予感がする――


同じ踏切りで、3人も続けて女子高生が電車に飛び込むなんて。

どう考えても不自然だ。確かに警察発表はあったけれど、単に事件に繋がるモノか見付からなかっただけだ。


問題の踏切りは学校から見て三春駅の右側、つまり西側に、150メートル程の場所にある。

駅前から続く道は古くからある県道で、狭いながらも黄色い中央線が引かれている。その道の線路側に歩道が設置されていて、反対側には古い住宅と、数件の小さい店舗が軒を連ねる。