翌週の金曜日――
放課後、私は愛美と一緒に、三春駅の裏にある本屋に行く事にした。大型の本屋は、この近辺ではそこだけだ。
「千里、早く行こうよ!!」
「ちょっと待ってってば。速過ぎ!!」
愛美は今日発売されるファッション雑誌を、毎月のように買っている。コンビニエンスストアには売ってないらしく、毎月発売日になると本屋に付き合わされる。
私達は学校を出てすぐの大通りを、駅へと向かう。愛美と歩調を合わせ、ウダウダとどうでも良い話しをしながら歩く。
「もう直ぐ4時だね。今から急げば、20分の電車に乗れそうだよ」
「えっと・・・愛美、もしかして私に走れって言ってんの?」
愛美は私の少し前を歩きながら、私を急かす様に歩くペースを上げた。愛美は振り向いて私を確認すると、大声で笑いながら駅前を右に曲がった。
「ハハハ!!」
その行動に血の気が引く。
「え?!愛美ちょっと・・・
そっちは、あの踏切りを渡る道よ!!」