次の瞬間――

遠ざかるメロディとともに、私の視界から岸本の姿が消えた。


『死をどう受け入れるか』
それを考え続けた彼は、その瞬間に一体何を見たのだろうか?



カッコ良い死なんて、有り得ない。


怖くない死なんて、有り得ない。


悲しくない死なんて、有り得ない。


自分勝手な死なんて、有り得ない。



有り得ないんだ・・・