岸本はそこまで話すと私の方を向いて笑った。
「でもね・・・
誰も、安息だなんて表情はしていなかったよ。
それに妹も、最後まで『もっと生きたい』って、そう言っていた。
死が本当に安息ならば、安心して妹を見送ってやれたのに・・・
死が本当に安息ならば、俺もこんなに苦しまなくて済んだのに!!
勝手な言い分だって事は、自分でも分かっているんだ。
その為に、他人を犠牲にしてしまった事も分かっている。
それでも・・・
それでも妹と自分自身を救う為には、他に方法が思い付かなかったんだ──!!」
岸本は自分のポケッとから、スマートフォンを取り出した。



