待合室から売店、各科の待合所まで、あらゆる場所を探したが岸本の姿はどこにもなかった。
2階、次は3階と、順番に上の階へと上がって調べたが、やはり岸本の姿はどこにも見当たらない。
いない・・・もう帰った?
1階に戻りエレベーター前のベンチに座り、頭を抱える。でも、帰宅したなんて事は考えられない。
あの状況だと、岸本の妹は・・・
あ――
そうだ、まだ私が調べていない場所が残っている!!
私はエレベーターに飛び乗ると、最上階である7階に移動した。7階から屋上に出られる階段があった事を、思い出したのだ。
私はこの寒空の下、北風が吹き荒れる屋上に出るなんて事は考えていなかった。
でも・・・
私は屋上へと続く階段を駆け上がると、重い鉄扉を開いた。



