さらに不思議な事に、警察発表があった直後から、今度は全く違う噂が流れ始めた。
警察発表の翌日――
「おい知ってるか?
あの幽霊が出るって踏切り、もう1つ向こう側の踏切りだったらしいぞ!!」
「そうなのか?」
「おう。前に女子高生が死んだのは、向こう側の小さい踏切りみたいだ」
「長谷部、本当なんだろうなあ?」
「千里、聞いた?
幽霊が出る踏切りって、あの踏切りじゃないんだってさ。変だと思ったんだよね。あそこに怨霊とかが憑いてるなら、もっと大勢飛び込んでるもんね」
愛美が早速、噂話に乗っかって話し始める。
でも確かにその通りだ。あんな噂があるなら、ゴシック好きな愛美が知らないハズがない。
不自然な事に、この噂話も瞬く間に校外に広まり、いつの間にか真実であるかの様に定着した。そして、周辺の学校にも同様に浸透した。
まるで、何者かが意図的に噂を流しているかの様に・・・



