店主が見詰める中、私は外に置いてあるオフィス用デスクを調べ始めた。私の予想では、この机のどこかに必ずアレがあるハズなのただが・・・


ない──

私が机の隅々まで調べていると、それを見ていた店主がそれとなく告げた。

「お嬢ちゃんが、一体何をしようとしているのかは分からないが・・・

その机から、時々音楽が聞こえてくる様な気がしてなあ。昨日調べてみたんだが、特にこれといって見付からなかったんだ」


その言葉に私は肩を落とした。

いや、でも、無いハズがない。
必ずこの机のどこかにあるハズなんだ。

必ずこのどこかに――


私が岸本ならば、一体どこに隠すだろうか?
もしかすると、想像しているよりずっと小さいモノなのかも知れない。


しかし、いくら探しても何も見付からず、さすがの私も諦めかけていた。

その時――
引き過ぎた一番上の引き出しが、机からガタンと外れた。

「あ、すいません・・・」

私は急いで引き出しを元に戻そうと、外れたレールを確かめる為に机の奥を覗き込んだ。


あ――!!