私は勢い良くベンチから立ち上がると、踏切りの前にある古物屋に向かった。

私の考えが正しければ・・・

最初は普通に歩いていたが、無意識に歩くスピードが速くなり、最後には全力で走り出していた。


「すいませーん!!」

古物屋に着くと、私は入口付近で店の奥に向かって叫ぶ。店内は意外と広く、8畳くらいの空間にブランド物の鞄や財布を始め、高価そうな雰囲気の掛け軸や壺まで置いてあった。

「はいよ、ちょっと待ってくれるかい」

奥から年配の男性しき声が聞こえた。
その場で2、3分待っていると、白髪で細身の店主が出てきた。


「呼んだのは、お嬢ちゃんかい?」

「はい、そうです」

店主は明らかに商売相手ではない私を見て、店の奥に置いてあった丸椅子に座った。