その女性は駅前のロータリーに沿って歩いた後、駅に引き返して来た。明らかに、誰かを探している様だ!!
その時――
車高を落とした黒い車が、大きいクラクションを鳴らしながら駅のロータリーに入って来た。ガラが悪過ぎる・・・
「あ、あれ?」
その派手な女性は、クラクションを鳴らしながら入って来た車に笑顔で手を降って駆け寄って行った。
「はあ・・・」
大きく溜め息を吐きながら駅の時計に目をやると、既に13時を5分以上過ぎていた。見える範囲を隅々まで探しても、白い鞄を持っている人なんてどこにもいない。
「すっぽかされたのかなあ・・・」
そう呟きながら立上がると、唯一死角になっている、駅の正面にある時計の下を見に行った。



