私は珍しく週末を、自宅で過ごした。

愛美がいないという事もあったが、何よりも外出するという行為が不安で仕方なかったのだ。


兄とはあの後、ケータイ小説の事について話していない。

AYUMIの【さよなら】は未完のままだが、毎日の様に更新されている。

ストーリーは使い古された「死にネタ」。
恋人同士の片方が難病に侵され、病床で色々と回想していく──といった内容。


兄からの情報が無い今、私に出来る事は1つしかにい。早く4人目の犠牲者を探し出し、高山との関係を見付ける事だ。


そして、私自身が5人目の犠牲者にならない事――