「イヤあああ――─っ!!」


──ガタンガタンガタンガタン!!

耳をつんざく電車の通過音。
鼓膜を突き破るほどの警笛。

パァ――――ン!!



──ガタンゴトンガタンゴトン・・・



目の前の遮断器が、音も無く静かに上がった。

その瞬間、私は立っていた場所に膝から崩れ落ちた。

「あ、あはは。た、助かった・・・」

一瞬で全身がシャツが絡み付く位に、冷たい汗でグッショリと濡れていた。

助かった理由なんて、全く分からない。
それでも、私は生きている・・・


例えそれが、「まだ殺さない」という意味だとしても――



私は力を入れてと立ち上がり、夕暮れの踏切りを足早に渡った。


駅に着いた私は、いつもならホームで電車を待つのだが、万一の事を考えて時間まで改札の近くに立っていた。

私は一刻も早く自宅に帰りたかった。精神的に、もう限界に近付いていたのだ。


それから20分程で、中山方面行きの電車が見えてきた。

私は走って改札を抜けると、そのままホームに止まった電車に飛び乗った。


本当に早く証拠を固めないと、通学すら安心して出来ない・・・