安楽死


あ、牧野さんからの返信だ。

私は手にしていた携帯電話を開き、受信メールを確認した。




見てるわよ !!



「ひ────っ!!」

全く予期していなかった事態に、私は悲鳴を上げた。

私の悲鳴は、近くにいた駅員が驚いて駆け寄って来る程だった。


「大丈夫ですか?」

「すいません・・・大丈夫です」


──見てる――


どこから?
一体どこから!?

私は瞼に力を込めて、今にも溢れそうな涙を必死に耐えた。

私の心が折れてしまうと、協力してくれた人達にも顔向けが出来ない。


私は俯いて目を閉じると、何度も自分自身を励ましながら、もう一度拳を強く握り締めた。



その時、今度こそ牧野さんからのメールが届いた。


大場さんの自宅はあの踏切りを渡って、500メートル程進んだ所にあるコンビニよ。

里川さん、余り無理しないでね。