安楽死


私は駅構内のベンチに座り、メールの返信を待った。


考えれば考える程、気味が悪くなる。今私がこうして座っている姿を、誰かが監視しているかも知れない・・・

長谷部の件も考えると、監視している人が本人ではない可能性もある。


もしかすると、あの人かも知れない。

いや、あの人かも知れない。


愛美・・・
愛美が側にいてくれたら、どんなに心強い事か。


・・・――そうだ!!

犯人は愛美をあんな目に遭わせたんだ。絶対に、許す訳にはいかない。許せない!!

犯人の正体に迫っているのは、私しかいない!!


私は震える膝を両手で強く押さえ付け、拳を固く握った。



その時――
携帯電話から、メールの着信音が鳴り響いた。