いつもの様に朝が来て、いつもの様に学校に向かう――


変わり映えの無い単調な日々は、例え退屈であっても何も失うことはない。ずっと私に、ささやかな幸福と安堵感を与えてくれていた。

でも・・・
それは絶妙なバランスの上に成立していることで、ほんの些細な出来事で崩れてしまう。

それが分かった時には既に遅くて、何もかもがバラバラで、もはや修復など出来なくなっていた。


そう──

気付いた時には、手の中に在ったハズのものは無くなっていて、私は空虚な空間に独りで佇んでいた。