――――――――――10年前


「さいちゃんは将来、僕のお嫁さんになってね!!」


多分海斗は忘れてるけど、幼稚園の年長のとき、私は海斗のせいで、背中に一生消えない傷を負った。


原因は、海斗に前から押され、後ろにたまたま椅子があって、そこにぶつけただけ。

なのに、一生消えないなんて…


笑っちゃう。


そして、子供ながらに責任を感じたのか、あんなことを言ったのだ。


私は、

「うん♪」


と答えた。


なのに。


海斗は、その次の日からとても冷たくなったんた。


私が話しかけても素っ気ない…

そして、そのまま海斗はアメリカに行ってしまった…


私に何も言わずに…


なんで私に言ってくれなかったんだろう…


私は小さいながら、ずっと思っていた。

そして、小さいながらに傷ついていた…。