トイレにいったよーた君を待って餃子をつまんでると…

「そうなんすょー!いい子っすよ〜!」


聞き慣れた,声。

あたしはドキドキしながら斜め前の席を覗く。






やっぱり大輝や…。




大輝はあたしに背を向けて座っていたのでバレずに観察できた。


向かいには30半ばくらいかな?

渋めで大人な男の人が座ってた。


男の人は分厚い封筒を大輝に差し出す。


深々と礼をして受け取る大輝。

中からたくさんのお札が飛び出し,大輝が数えようとした時,よーた君が大輝の隣りを通った。


「お前…」

よーた君が見たこともない怖い顔で大輝を睨み付けた。


「…場所変えましょう!」

大輝が男の人に一言ゆうと2人はそそくさと店を出て行った。


大輝はあたしに気付かなかった。


気付いて浮気したのかって悔しがって欲しくて,うつむきも目を反らしもしなかったのに。


大輝は全く気付かなかった。