ふいをつかれたような葉を無視してたたみかけるかのようにあたしはあたしの理屈をならべる。
「葉がもしあたしが辛いときにあたしを守ってくれないような人だったら最初からつきあってないと思うけど、でもそれでもそのためだけにつきあってる訳じゃないし最初から打算なんてなかったよ」
「‥別に打算とまではおもってへんけど‥‥」
「じゃあいいかたかえるけどあたしが葉をちゃんとすきじゃないと思ってたわけ?」
「‥意識してたわけやないけど、不安やったのはたしかやな」
「‥信じてくれてなかったんだ」
あきらかに気圧のさがりはじめたあたしを葉があわてて抱き締めた。
「ちゃうって。柚寿を信じてないわけやあらへんのやって。俺が俺を信じられへんねん」
「‥え?」
「俺年下やし。いっそ柚寿が男を顔でえらぶような女やったらええのにって思う程度には、みためはそうわるくない思ってるけど、そんなん柚寿にたいしてはあんま意味ないやん。」
「‥あたし顔でえらんだりしないもん」
そうやろうな、と笑い、
「でも柚寿のレベルなら条件だけやったらこんな案件ほかにもいっぱいあるやろうし、それやったらあえて年下えらばんと、年上で包容力とかそうゆうもんがしっかりしてる男えらべばええわけやん?」
「‥葉より大人なひとなんてあたしのまわりに1人もいないよ」
ありがとな、と緩めて笑ってつづけた。
「合コンのときは無理矢理おしきったから俺とつきあってくれたし、柚寿のそのキモチをうたがうわけやないけど、いつかそのキモチがさめるんやないかってこわいねん」


