「今日くらい、あたしがなぐさめさせてよ」 いつも素直になれないんだから。 「なんかなあ‥‥」 ちょっと考えこむフリをして、―――抱き締められた。 「‥こうゆうときの柚寿可愛え」 いつもすくんで固くなってしまっている。 葉はほぼ最初から彼氏だからまだましだが、あたしの恋はたいてい、ともだちから始まる。 そうすると、なんか照れくさくて恋人になったらするべきお約束の数々がなかなか素直にできなくなってしまうのだ。