もっかいちゃんと抱き締められて、耳元でささやかれた。

「桜ちゃんから柚寿の話とか、きいたことあってん」
「え?」
「ともだちに、ええ子なのにいつも恋愛巧くいかない子ぉがいるって。んでなんかわからんけど、親近感あってん」
軽く緩めて笑ってつづける。

「実際はなしてみたら、ほんまにええ子で、柚寿としゃべってる途中からもうずっと、この子に俺のことみてほしいって思っとった」


見上げようとすると、頭をひきよせられてみれない。

「はずかしぃからみんとってや」
ちょっとふてたような声で――――もう知っている、葉がこの声になるときは照れてるときだ。