もこもこ。もこもこ。

空に浮かぶ入道雲。
きっと、わたあめみたいにふっわふわだ。





「すっごく小さい頃の話になるんだけどさ」


私は、隣に寝そべっている彼に話しかけた。




「ん~?」


寝てでもいたのだろうか、声が非常にだるそうである。
が、私は構わず話を続ける。




「私、あの入道雲の中には、きっと別の世界があるんだって、そう信じてたの。」