撫でていた手が一瞬止まり、名前を呼ばれた。
返事をせずに顔だけを動かしたけれどわたしの顔は拓斗の首元にくっついている。
その角度からでは拓斗がどんな表情でわたしを呼んだのかなんて分からなかった。
だけど拓斗は顔を動かしたわたしがちゃんと聞こえていると認識したらしく
また手は一定のリズムで動き出す。
「1人になった、とか思うなよ」
「………」
「……こうして俺がここにいるだろ」
ギュッと拓斗のわたしを包み込む腕に力が籠もった。
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