その手がすごく温かくて、胸の奥がグッと何かに締め付けられるような感覚。
と同時にまた目からは涙が零れ落ちる。
「ふっ……っ……」
歪む視界、そしてわたしの顔。
すると、頭の上に乗せられた手がゆっくりと後頭部に周り、
優しく押された。
その力に逆らう事無く、むしろ拓斗が押してくれる早さよりも先に自分から動いた。
飛び込んだ場所は拓斗の胸の中。
肩に顔を埋めて、両手を拓斗の首に回した。
制服からか、拓斗からかは分からないけれど爽やかなクールマリンの香りに包まれる。
拓斗は、そのまま軽く引き寄せてくれた右手でわたしの頭を撫でていて
左手は、わたしの体へと回った。
「っ……ぇ……」
回した首にグッと力を入れれば
「制服握っていいよ。……皺になるとか気にしなくて良いから」



