だけど、その衝動を『拓斗を縛り付けてはいけない』と言う自分の思いと 『彼女の佐奈子さんがいる』と言う事実が止める。 「――佐奈子さんと幸せになるのが一番だよ」 それが、拓斗にとって一番良いでしょう? 「時雨の気持ちを聞きたい」 「わたしの気持ち?」 「もう他に好きな奴でも出来たのか……?」 聞かれて、固まってしまった。 馬鹿。 他に、好きな人なんて、出来る訳ない。 ――わたしも、好きだよ。 拓斗が。 ずっと拓斗に会わなかった3年間もずっと好きだったから。 でも言わない。