軽くバウンドするわたしの体は痛くない。
え、と思うより先に押さえ付けるように多いかぶさってくる拓斗の体。
「拓斗っ……」
上手く動かない腕を動かして拓斗の体をわたしの体から引き離そうともがく。
足は掛け布団の上を滑るだけで何の役にも立っていない。
拓斗は叫ぶわたしの声を無視して首筋へと顔を埋めた。
熱を帯びている肌に触れる拓斗のひんやりとした唇。
わたしの顔に拓斗の髪がかかる。
「拓!!」
チクッとした痛みを感じた瞬間、
大声で呼ぶ。
「黙ってろ」
押さえ付けたわたしの体を解放する事無く顔だけを上げて言った拓斗。
その目が冷たく……怖い。
でも、その目の圧力に負けてしまうわけにはいかない。



