わたしのせいで……

台無しになってしまってはいないだろうか。

チラ、と助手席に座る佐奈子さんを見れば不安そうに拓斗の方を見ている。

本人は気付いていないのか、


気付いていても気にしていないのか真っ直ぐ前を向いて運転に集中していて。




―――お邪魔な気がしてならない。





無言が続いて数分。


わたしは申し訳なさといたたまれない気持ちを感じながらも、


佐奈子さんの家へと向かう窓の外の景色を眺めていた。

普段わたしがあまり行くことの無かった方の区らしく

うっすらと覚えていた景色は大分変わっていた。


その変化探しでその他のことはあまり考えずにすんだ。