「ごめん。……俺はやっぱり、時雨しか見れない」
申し訳なさそうに、困ったように言われ、分かっていた筈なのに自分まで胸が苦しくなった。
「そっか……でも諦めないから。……今日はもう帰るね」
分かってたのに。
振られた事実に急に恥ずかしくなる。
早口でそれだけ言うと、
私は拓斗君から視線を逸らし、もう合わせる事も無く足早に拓斗君の部屋を、家を後にした。
カァっと急に顔に上がった熱は外の風に当たっても冷めることを知らない。
その頬を片手で触れながら早足で家へと急ぐ。
……諦めない。
絶対に。
拓斗君を、
解放してあげたいから……
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【松石さん、具合大丈夫?最近ずっと来てないけど……拓斗もかなり心配してるから。とにかく返事だけ下さい。 秀】
ベットの上で、たった今受信したメールを確認して、携帯を閉じる。
秀君から、か。
拓斗君の家に行った次の日から、私は休んでる。
諦めない、と言ったもののやっぱり会いづらくて。



