「……あぁ」
少しの間の後。
答えてくれた拓斗君。
そっか、この人が。
ずっと拓斗君の傍にいて、辛い時は慰めて貰って、
そして……何も言わないで消えてしまった人。
もう一度見たい、と思って見たけれど伏せられた写真立て。
さっきまでしっかり見ていたからか脳内で思い出せば鮮明に浮かび上がった。
幼なじみさんの顔と、そして拓斗君のあの笑顔が。
「拓斗君、笑ってたね」
ベットの縁で思い出しているように呆然と絨毯に視線を這わしている拓斗君に言えば、
何を言いだすのかといった表情で私の方を見た。
……気付いてないのかな。
「あんな笑顔、見たことなかった」
心からの、笑顔。
自嘲気味の笑み、や苦笑は見たけど、あんなに幸せそうな笑顔なんて見たことが無かった。



