上がって、と言われて拓斗君のお母さんと私の間にある階段を会釈をした後に昇る。
登っていく背後で拓斗君がお母さんに私の事をそう言っていた。
友達、か。
……拓斗君の部屋は、普通だった。
汚れている、と言った訳でも無く物が無いと言うわけでも無く。
何も無いって聞いていたから本当に何もないシンプルな部屋を想像していたんだけど。
高校生時代の教科書等もまだ机の上に置いてあった。
「別に来てもたいして面白く無いだろ」
中に入って立ち尽くしたまま部屋を見渡していた私に、
拓斗君は机の上を片付けながら言う。
……面白いよ。
「ううん、こういう部屋に住んでるんだーって面白いよ」
想像してたのと違って、と付け加えれば拓斗君は苦笑する。
「想像と違う?」
「あ、えっともっとさっぱりした部屋かなーって思ってたの」
人の部屋を勝手に想像してたってただ気持ち悪いだけだよね。
でも、本当に。
拓斗君のイメージと部屋のギャップが違くて。
サッカーの雑誌、興味あるんだなって思ったり。
漫画読むんだーとか、今はしているか分からないけれどゲームもするんだーって。



