「それでもいいよ!見たいだけだから」
行きたい!
その思いで、必死に説得する私がおかしかったのか、変なヤツ、とフッと笑った拓斗君。
やった、笑った!
私も自然に笑顔になる。
「別にいいけど本当に何もないよ?」
「うん、それでも良いから!」
歩き出した拓斗君の横に並んで歩く。
少しでも、拓斗君が笑ってくれたら。
私を……好きになってくれたら。
―――電車に乗って数十分。
私の住んでる所からそんなに遠くは無いけれどでも来た事の無い場所で私は辺りを見回しながら歩き続ける。
駅から歩いて住宅街へ。
一軒家が並ぶ通りで、拓斗君が足を止めた。
「ここ」
「うん」



