あたしを置いていかないように……
「……花音?どうした?」
「あっ!うぅん。何でもない。」
そう……
そうだよ……
棗の事は忘れるって決めたんだ……
棗へのこの気持ちも、すべて忘れるって……
「本当に大丈夫か?」
ファミレスに入っても、まだ心配する蓮
「うん。…なんかごめんね。でも大丈夫だから」
「…そっか。……ってか何注文する?」
「あたしはね―………」
「何?また迷ってるわけ?花音って、いつもそうだよな」
「だって―…」
どっちも美味しそうなんだもん……
「花音って必ず2つで迷うよな―」
「そうなんだよね―…。そのたびに棗が……」
そう…棗が必ず迷っているもう一つを頼んでくれるんだ
『待ってたら注文遅くなるから』
って……
でも…それが棗の優しさだってわかってた……


