「ッッ…うぅ……」



――ガチャ



屋上のドアの音に反応して、声を押し殺した



泣いて酷い顔をしているはずだから、誰が確認したかもわからず、振り向くこともできない……



「花音……」



この声って……



「………蓮」



「どうした?昨日、何かあったのか?」




蓮は昨日のことを知らないんだ……


ってことは棗は美羽だけに話したんだ……



一番仲のいい蓮じゃなくて……



美羽に……



「ッ…ウゥ…」



それが何故かなんて、もう何もかもが物語っている……




棗は美羽を好きなんだ………