言いたいことを散々ぶち撒いた
一気に言ったせいか、息が荒れる
何も言わない棗
静かな部屋に響くのはあたしの荒れた呼吸だけ……
「…………言いたいことはそれだけか……」
棗が低く冷たく、言い放った
「悪いけど…。誰がなんと言おうとも、俺の気持ちは変わらない。たとえ…それが花音でも………」
冷静さを無くしたあたしに対して、嫌なくらいゆっくり冷静に話す棗
わかってるよ……
そんなのあたしが一番よくわかってる………
「俺…」
「帰る」
「えっ………」
あたしはカバンを持ち一目散に部屋を飛び出し、自分の家に逃げ込んだ


