「ははっ。本当に棗は花音ちゃんが大好きなんだな」

「うっせ。」



そう言い合っている姿は、喧嘩しているようだったけど……


なぜか笑えて幸せな気持ちになった……


やっぱり親子はこうじゃなくちゃね。




それからリビングにいるお母さんたちに話したら、棗のおばさんは


「ごめんなさい」


って何度も泣きながら謝った。


そして「本当によかった」とあたしたちに笑いかけてくれた


お母さんは棗に「花音をよろしくね」と言っていて、ちょっと…イヤ……かなり恥ずかしかった。



まるで……結婚するみたいで//



って!何考えてんだろ?!


「やっベ!花音っ!学校遅刻するぞ」



棗のその言葉でやっと現実に戻った気がした



時計はすでに8時過ぎを示している



あたしたちは急いで家を飛び出した



強く…強く…



手を握りしめたまま……