「おじさん。ごめんなさい。」


「………」


「あたしはもう二度と棗を諦めたくありません。」



「……花音」



今、握ってくれてる手を…


二度と離したくない……



「あたしは…棗に相応しくないかもしれません…。でも、棗を思う気持ちは誰にも負けない。」



ずっと負けない……




「だからあたしは棗と一緒にいるためなら、どんな努力だってします。おじさんたちが認めてくれるまで。ずっと……」




恐いくらいにあたしをしっかり見てくる棗のおじさん


でも今、目を反らしちゃダメだ……



なぜか無性にそう思い、必死に視線を合わせた



「ふっ…」


「「…えっ?」」


口元に手を置いて笑みを見せたおじさん



「ははっ。そうか、そうか。」



さっきまでのが嘘かのように笑っているおじさん



棗と見合せて「?」を浮かべる


な、何がどうなってるの?!