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緊張したまま着いた棗の家
「あたしも着いていく」
と言うと、
「ありがと。」
だけ言って、さらに手を強く握りしめてきた
本当は不安で不安で仕方ないんだ―…
でも棗とだから……
「はぁ…―」
玄関の前で大きく息を吐き、開けた
「ただいま」
「棗っ、花音ちゃん!」
涙ながらに走りよってきた棗のおばさんと、お母さん
「なんでお母さんも…」
「たぶん棗くんも一緒だろうと思って、ここで待ってたのよ」
「……そっか。心配かけてごめんなさい」
「ほんとよ」
涙を浮かべながらそう言ったお母さん
「すみません。おばさん。俺が連れ回したから」
そう言ってあたしのお母さんに深々と頭を下げた棗
「えっ、違うよ!あたしが勝手に!」
「いいのよ。棗くん。私の方こそ、2人にツラい思いさせちゃったわね」
「……お母さん」