な…なんで……



「なっ、棗が帰らないならあたしも帰らないっ!」



…は?



「何言ってんだよ?!おばさん心配するぞ!?」



電話まで切っちまって…



「それでも!今は棗が離れていっちゃいそうで怖いの…」


「……花音」




かすかに震えている、花音の握らしめられた手



「だから今日はあたしも帰らない…。あした…、明日一緒に棗と帰る」



なんだよ……



本当はおばさんに心配かけてるの分かってて苦しいのに……



悪いことしてるって分かってるのに……



そんな小さな身体で、必死に俺を守ろうとしている……




それが堪らなく愛しくて…









小さく震えている花音をゆっくりと抱きしめた